
親知らずの抜歯
親知らずの抜歯
一概に親知らずの抜歯と言っても、生え方や歯がどれくらい出ているか、神経にどれくらい近いか、年齢などによって難易度が異なります。若くて骨が柔らかく見えている歯を抜くのは比較的容易く場合によっては即日抜歯も可能です。しかし、年齢が40代以上で歯茎が腫れている、さらに歯が見えないといった歯は即日抜歯は困難なことが多いです。また、神経との位置関係を確かめるために必要に応じてCTの撮影を行います。
上の写真のような歯科用パノラマX線写真は全体の状態をスクリーニングするのに非常に便利です。虫歯や歯の生え方、顎の関節の状況がわかります。2次元なので親知らずと神経の位置関係を診るためにはCTが必須です。
写真はCTの歯の位置をみるモードで歯と骨の位置関係が正確に把握できます。CTは3次元的に口の中を診れますので、歯の根っこの曲がり具合や神経との位置関係などがよくわかります。どのような断面でも見られるので、見たい場所がどのようになっているのかが一目瞭然です。
一番左の歯が親知らずです。前の歯の根っこは2本はっきりみえるのに対し、親知らずの根っこはもやもやしています。
CTを取ると前からみた写真ではこのように歯が回転し、斜めになっていることがわかります。また歯の根っこが2本あることがわかります。CTで、事前に歯の形態がはっきりわかり、処置の時間も大幅に短縮できます。
実際にこの写真の歯を抜いたところです。歯の根っこは2つに分かれており、真ん中はループ状になっていました。CTで事前に形態がわかっていたので、麻酔して切開もしましたが、処置の時間は10分程度でした。